今回は、「 DAO (Decentralized Autonomous Organization) 」について紹介します。
こちらは、日本語では「自律分散型組織」と訳され、ブロックチェーンのスマートコントラストの機能を用いて、中央に意思決定する組織を持たずに運営できる仕組みです。
今後のWeb3.0における最重要キーワードの1つとなりますので、ぜひ覚えておいてください。
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Contents
DAO (Decentralized Autonomous Organization)とは
自律分散型組織と言われることからもわかる通り、従来の組織とは違い、意思決定機関がなくても運営できる組織です。
中央の意思決定組織の代わりとなるのが、スマートコントラクトというルールです。
スマートコントラクトは以下手順です。
①契約の事前定義
②イベント発生
③契約執行
④決済
これだけではなんのことかわからないので、自動販売機に例えてご紹介します。
実は自動販売機もDAOと言えるものになります。
①契約の事前定義 :利用者が必要な金額を自動販売機に投入する・ほしい飲み物のボタンを押す。
②イベント発生:ほしい飲み物が取り出し口に排出される。
③契約執行:ほしい飲み物を利用者に提供する。
④決済:投入されたお金の回収・おつりの吐き出し。
お金と欲しい飲み物を交換するという取引について、自動販売機に事前に設定されている処理によって自動で実行されています。
このようにスマートコントラクトとは、取引プロセスの自動化を意味します。
DAOでは、このスマートコントラクトを改ざん不可能なブロックチェーンに乗せることで、中央に意思決定組織がなくても組織運営が可能になるのです。
DAO 種類
DAOの種類としては大きく7種類あります。
投資DAO
投資先を投票で選ぶDAOです。
有名な「The DAO」はこちらであり、DAOが初めて形になったのはこちらの種類のDAOです。
ビジネスモデルとしては、投資ファンドに近く、中央集権で意思決定するのではなく、投票によって投資先を選択することが特徴と言えます。
グラントDAO
参加者がDAOに資金を寄付して、資金の用途を投票によって決定する仕組みです。
社会的課題の解決のために、集まったメンバーにより構成されていることが多いです。
プロトコルDAO
DeFi Protocol群を中心に発展しているDAOです。
Defiについては、以下記事を参照ください。
Defi とは?金融機関の根本を覆す仮想通貨の仕組みを解説!
プロトコルDAOはコアチームからコミュニティにプロトコル権利を徐々に移行させ、コミュニティ主導で自律的に運営されるDAOを目指す傾向にあります。
サービスDAO
こちらは、事業プロジェクトのDAOといった位置づけです。
あるプロジェクトを遂行するため、様々なタレントが特定のプロジェクトを遂行するために働き、対価としてトークンを受け取るというものです。
ソーシャルDAO
共通の関心を持つメンバーが価値観を共有するDAOです。
コミュニティが大きくなればなるほど、トークンの需要が高くなりキャピタルゲインを得ることができます。
メディアDAO
ニュースレターなどのコンテンツを提供するメディアをDAO化したプロジェクト群です。こちらは優れたコンテンツを提供するライターに対して報酬としてFFトークンを与えるというものです
コレクターDAO
何かを収集するために結成されたDAOです。その何かは多くの場合NFT(ノンファンジブルトークン)です。
特定のアーティストやプラットフォーム、シリーズものなどを集める傾向にあります。
DAO の実例
仮想通貨ネットワーク
仮想通貨の取引所は中央に組織がいますが、その裏にある取引システムについてはブロックチェーンという分散型のネットワークを自律的に機能するノードが支え、ユーザーのリクエストに応じて送金やスマートコントラクトの実行といった処理が行われます。
The DAO
こちらのThe DAOはDAOの話をすると必ず名前を聞くことになる事例です。
「The DAO」は固有名詞で、自律分散型のベンチャーキャピタルです。
仕組みとしては、参加者の投票により、投資先を決定するという中央の意思決定をなくした投資組織です。
こちらは2016年にICOで資金調達しましたが、直後にハッキングの被害にあい、調達した資金の約三分の一が流出したことで、DAOのデメリットを表す事例として有名になっています。
まとめ
従来の中央集権型の組織では実現できない組織を実現可能となり、今後の会社等の組織編成に大きく影響を与えていくと考えられます。
ただし、The DAOの事件からもわかる通り、まだ多くの問題も抱えているため注視が必要となります。
おわり