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ノーコードとは

ノーコード は、ソースコードを記述することなく、アプリケーションを開発することができるサービスを表します。
本来アプリケーションを作成するには、プログラミング言語を用いて、ソースコードを各必要があります。現在はクラウドの発展に伴い、Saasなどのようにインフラを用意しなくてもアプリケーション開発ができるようになりましたが、それでもソースコードが必要です。
ノーコードとはソースコードとして定義していたパーツをテンプレートとしてあらかじめビジュアル化し、そのパーツをドラック&ドロップで配置することでソースコードなしでアプリケーションを開発することができます。
そのため、これまで必須とされていたプログラミング言語や、データベース等のITスキルや知識を持たない非エンジニアでも、対応することができます。
IT人材の不足(IT人材白書2020/独立行政法人情報処理推進機構社会基盤センター)が足りないと言われている企業において、有識者以外がアプリケーションを開発できるようになることは大きな利点であると言えます。
また、現在多くの企業でDXの重要性が問われており、各社課題認識を持っているのではないでしょうか。
そんなDX対応においてもノーコードは効果を発揮すると考えております。
以下では、動画でプログラミング学習を実施することができますので、ぜひノーコードと併せて学習していただきたいです。
ノーコード を導入するメリット
ノーコードを導入するメリットとしては以下5点をピックアップしました。次項から詳しく解説します。
- 無料や安価で始められるサービスが多く、初期費用を抑えてアプリケーション導入が可能となります。
- 直感的にイメージを形にできます。
- プログラミングやITの知識があまりない人でも、アプリケーション開発が可能。専門のチームがいなくても開発が行えます。
- 開発からリリースまでスピーディーに行うことができます。
- 用意された範囲での拡張が簡単に行えます。
無料や安価で始められるサービスが多く、初期費用を抑えてアプリケーション導入が可能となります。
Glide・Adalo・Bubbleといった人気のノーコードプラットフォームにも、無料プランが用意されております。
無料プランでは制限があるため、自由なカスタマイズは難しいですが、初期コストを抑えて、導入可能です。
また、有料プランであってもフルカスタムで開発する場合のコストと比較すれば圧倒的に安価での導入ができます。
直感的にイメージを形にできます。
ソースコードを用いた通常の開発の場合、開発中は完成形を確認することは難しいですが、ノーコードであればUIをベースに作成していくことがほとんどなので、イメージがしやすいです。
プログラミングやITの知識があまりない人でも開発が可能であるため、専門のチームがいなくても開発が行えます。
システム開発では、通常プロジェクトを立ち上げ、PMや複数人のエンジニアでチームになって開発します。
しかしノーコードの場合はそもそもコーディングを行う必要がないため、開発に特化したエンジニアチームを構成しなくてもシステム開発が行えます。
そのため、例えば営業部内でほしいアプリケーションがあったときにIT部署に依頼するのではなく、営業部内でアプリケーションを開発し、使用することができるようになります。
開発からリリースまでスピーディーに行うことができます。
ノーコードは、迅速な開発~ローンチまで実行できることが大きなメリットと言えます。
通常の開発では最短でも3ヶ月はかかるものも、ノーコードだとより短期間で開発が行えます。軽微なアプリケーションであれば即日リリースできる場合もあります。
この迅速さを利用すればPoCのような実用可能かの検証目的で簡易的なアプリケーションを開発したい時にも利用用途があります。
用意された範囲での拡張が簡単に行えます。
ノーコードは基本的にサービス側で用意されているテンプレートパーツを組み合わせて開発を行います。
カスタム開発のように柔軟な拡張はできませんが、サービス内で定義されたパーツを使用するのであれば、アプリケーションが完成した後に有識者以外が簡単にアップデートすることができます。
とりあえずローンチしてみる→不足していた機能を適宜追加という流れを有識者無で実行できる点は大きなメリットであると考えられます。
ノーコード 導入の デメリット
逆にノーコードを導入するデメリットは以下4点です。次項から詳しく解説します。
- ノーコードサービスで用意されたパーツは自由度が低く、定型的な機能しか実装できない。
- ノーコード提供会社への依存リスクが高い
- サービスベンダーの多くが国外企業
- シャドーITになる恐れあり
ノーコード サービスで用意されたパーツは自由度が低く、定型的な機能しか実装できない。
決められたパーツを組み合わせて開発を行うため、煩雑な要件には対応することができません。
例えば自社で既に使用しているシステムの画面を使用したい等という要件はノーコードでは対応できないです。カスタム開発に移行することをお勧めします。
また、サービスごとに網羅しているパーツの機能が異なるため、導入前に開発したいアプリケーションに必要となる機能がパーツとして提供されているか確認する必要があります。
ノーコード 提供会社への依存リスクが高い
過去には統合CASE(シーエーエスイー)ツールやRAD(ラッド)というサービスが、プログラミングを行わずにソフトウェア開発を行えるとして注目されたのですが、それらは既にサービスを廃止しています。
当然現代においてノーコードを提供しているサービスに依存するため、同様の事象が発生する可能性は0ではありません。
サービス終了時にはサービス側からもなにかしらの対応策が提示されることがありますが、代替策を事前に検討しておくなどリスク対策が必要となります。
サービスベンダーの多くが国外企業
現在のノーコードサービスを提供しているベンダーは海外企業となります。そのため、開発における不明点等を問い合わせる必要がある場合、英語にて問い合わせる必要があり、コミュニケーションに障害が起こりえます。
また、Google等の検索エンジンで問題の解決方法等を検索した際に、日本語の記事が少なく英語での検索を余儀なくされます。
パッケージやSaas等のサービスも多くは国外企業からの提供なので、英語がメインとなりますが、日本での導入実績も多く、日本語対応できているサービスも多いです。
ノーコードの提供はそれらと比較すると最近なので、まだ広まっておらず不便となってしまうケースがあります。
シャドーITになる恐れあり
ノーコードサービスにてアプリケーション開発をすると、IT部門等で一元管理されていたシステムが一般の部署内でも簡単に作成できるようになります。
IT部門ではデータの一元管理等部門を跨いだ横ぐし管理を実施している場合がありますので、規則を確認したうえで導入しても問題ないかを判断する必要があります。
シャドーITになるとどういう問題がおきるかは以下の記事で解説しているので、ぜひ確認してみてください。
今後の展望
スタートアップやベンチャーと相性がよく、使われていく。
有識者がいなく、安価で導入可能なノーコードは立ち上げ初期の会社内システムやサービスとの親和性が高いです。
今後ベータ版の開発をノーコードアプリで実施する等の新しい使い方も増えてくると考えられます。
ノーコード 市場は今後も成長予想
ノーコード市場は、P & S Intelligenceによると2020年から2030年の間に31.1%の CAGR(年平均成長率)が見込まれています。
GAFAMもこの動きを見越してかノーコードサービスへの投資を実施しています。
- Google:AppSheetを2020年1月に買収
- マイクロソフト:PowerAppsへの投資を拡大
- Amazon;Amazon Honeycodeをリリース
- Apple:子会社のClarisがノーコード開発ツール「Claris Connect」をリリース。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の課題解決に役立つ
近年IT業界で最も知名度をあげている言葉であるDXも、ノーコードが役立つと考えられます。
そもそもDXが進まない要因の1つに、IT人材不足などが挙げられます。
ノーコードはITスキルがなくても非エンジニアでもシステム開発が行えるため、そのような問題は解決が可能です。
ノーコード によってコーディングは不要になる日は来るのか?
ノーコードが主流になったとしても、引き続きコーディングは必要となります。
理由は「ノーコードの柔軟性のなさ」です。ノーコードは、事前に設定された機能の組み合わせしかできません。
各社の業務要件に応じた柔軟なシステムの開発はやはりコーディングを用いた開発を実施する必要があります。
ノーコード まとめ
ノーコードは専門知識がない人でもアプリケーション開発を実施することができる有用なツールです。
また安価で迅速な開発を実施することができるため、スタートアップなどで規模拡大が見込めます。
ただし汎用性が高いとは言えないため、目的にあわせてノーコードサービスを使用するのか、カスタム開発するのか判断が必要となります。
以下書籍では今後のノーコードの動向について詳細解説されていますので、ぜひ合わせて確認してみてください。
また、以下書籍ではノーコードを用いて実際に開発する際の手順を解説しています。
合わせて確認ください。
おわり