if-then プランニング ということばをご存じでしょうか。
最近ではメンタリストのDaigoさんが本の中で紹介されていたので、有名になっているように感じています。
こちらは、ダイエットや資格の勉強、キャリアアップに向けた勉強等、習慣化したかったけれど挫折してしまった人にぜひ試していただきたいテクニックになります。
方法自体は特別難しいことはないですが、習慣化への効果が2倍になるという研究結果も出ています。
挫折したく人向けのテクニックif-then プランニングについて解説します。
Contents
if-then プランニング とは

if-then プランニングとは、Columbia Business Schoolのモチベーション・サイエンス・センター副所長を務める社会心理学者の ハイディ グラント ハルバーソン博士が、著者『Nine Things Successful People Do Differently』で提唱している、目標達成のための手法です。
日本語版で『やり抜く人の9つの習慣』という本も出版されていますので、良ければチェックしてみてください。
実践方法
if-then プランニングの実施方法は、「【if】Xしたら【then】Yする」という形で事前に計画しておくことで、なにかを実施する判断に労力を使わない手法です。
例えば以下があげられます。
【if】月水金の20時になったら
↓
【then】30分間ジムに行って運動する。
【if】勤怠開始したら
↓
【then】一日のタスクをノートに書き出してやることを整理する。
【if】23時になったら
↓
【then】部屋の机に座って、10分間今日の日記を書く
【if】お風呂から出て、髪を乾かし終わったら
↓
【then】10分間ストレッチをする。
【if】勉強していて疲れたら、
↓
【then】ホットアイマスクを使って、15分間仮眠を取る
このように、if-thenプランニングとはただ「XしたらYする」と決めておくことです。
ポイントとしては、ifの部分が日常に置いて自然体でいたら必ず通過する事象を当てはめておく又は、なにかを実施するときの阻害要因を当てはめることです。
自然体でいたら必ず遭遇するというのは、出勤したらや、10時になったらというような行動や時間に当てはめます。
阻害要因とは疲れたらや、スマホを触ってしまったらなどの要因を当てはめます。
このように作成できたら、意識しなくてもできるようになるまで実施することです。
意識しなくてもできるようになれば習慣化されたと言えます。
if-then プランニング の効果
前章ではif-then プランニングの実施方法を具体例を用いて解説しました。
ニューヨーク大学のピーター・ゴルウィツァー氏が発表した(Implementation Intentions and Goal Achievement: A Meta-Analysis of Effects and Processes)という94件の実験データを分析した論文では効果量は0.65であると記載されています。
効果量とは、A(イフゼンプランニング)がB(目標達成率)にどれだけ効果を及ぼすか表す数字です。
1に近づくほど効果が高く、0に近づくほど効果が低いことを表します。
0.5を超えると優秀とされており、if-then プランニングの効果を示しています。
またそれ以外にも
- レポートや課題への取り組み量:2.3倍
- 運動習慣:2.5倍
- 乳がん検診の受診:2.0倍 ※
※if-thenプランニングをしなかった人:53%の受診率⇒if-thenプランニングをした人:100%の受診率
という効果が出ていると分析されています。
効果が高い理由
ここまでif-then プランニングの実施方法と効果を解説しました。
では、なぜこれほどまでに効果的なのでしょうか。その答えは、人間の脳神経は「XならばYを実行する」という命令に反応するようにできているからです。
最もわかりやすい例が反射です。例えば【if】熱いものを触ったとき、【then】そのものから手を放す。というように事前にプログラミングされた行動を起こすように設計されています。
いわばif-thenプランニングとは「反射」を人工的に作る方法である言えます。
この「反射」の形に添って事前にプランニングしておくことで、脳内でXというきっかけがYという行動に結びつき、不可なく行動を実施できるのです。
How Many Decisions Do We Make Each Day? | Psychology Today という記事で人間は1日35000回の意思決定をしていると言われています。
意思決定は脳への負担が大きい為、なるべく回数を減らした方が良いです。
Xという実行のタイミングが訪れたときに、自然とYという行動できると意思決定の回数を減らすことができ、脳への負担が少なく、本当にしたいことに脳へのリソースを割くことができるようになります。
実行に移すきっかけを定めておかないと、なにを実施するか都度意思決定が発生することになり、脳のリソースを多く使ってしまいます。その結果、やりたいと思ってはいるけれど、なかなか実行に移せない状況が続くことになりかねません。
つまり、if-then プランニングのメリットは、脳のリソースをセーブし、必要な事象に対して脳のリソースを使用できる点であると言えます。
まとめ

日々の生活の中で既に習慣化されていることを【if】に設定し、それに紐づけて実施したいことを【then】に設定することで、習慣化を容易にすることができるif-thenプランニングについいて解説いたしました。
if-thenプランニングを活用し、目標達成に向けて、良い習慣化に向けて少しずつ行動していきましょう。
以下記事では、【then】の設定方法の参考になる内容を記載しています。良ければ合わせて確認ください。
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以下記事では、【then】の実行が容易になる手法であるポモドーロテクニックについて解説しています。こちらも良ければ合わせて確認ください。
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おわり